Red Moon -第6幕-第6幕 それから・・・ おじさんのホテルで彫像を倒した犯人は見つかり、これで全ての事件が解決した。 俺と雪絵は、海で泳いだり、島を散策したりと楽しんだ。 楓さんと真琴さんは、なんとかこの島での撮影は終わったようだ。 真理は、よくその撮影現場に行って、朝斗とよく逢っているらしかった。どうやらフィアンセというのは本当らしい。 ・・・姉さんと秀明さんはどこにいるのかは分からないが、 元気にやっていると思う。 (姉さんが元気にやっていなかったから、秀明さんを殴りに行く。) それぞれの日々を過ごし、俺達がこの島に来てから一週間が経ち、連絡船が来た。 俺は、おじさんに別れを告げ、船に乗り込んだ。おじさんは「また来いよ。」と言っているので、また来るよと答えたが、来るかどうかは分からない・・・ ―俺はこの島に来て、二度と逢えないと思っていた人に逢うことができた。例えその人と度と逢うことはできないとしても、俺はそれでも構わない。その人にはその人の、 俺には俺のかけがえのない人がそばにいるのだから・・・ ・・・なんてな。 「涼、はやくはやく。でないと置いて行くよ。」 俺のかけがえのない人である、雪絵が俺を呼んでいる。 「わかった、今行く!」 ・・・そして、この島を後にした。 -俺は、この真夏の日の思い出を決して忘れない!- -EPILOGUE- それから7年後・・ 俺と雪絵は、教会で2人だけの結婚式を挙げた。 その時、真理からの『おめでとう、お2人さん。』と書かれているカードが、教会の前に置かれていたので、俺は「そっちも幸せにな。」というカードを、雪絵は「次は、神尾さん達だね。」と書いたカードと、花嫁のブーケを教会の前に置いた。 たぶん神尾が見たら、「余計なお世話よ。」と言うだろう。 ・・・そして半年後、俳優の柏木朝斗の結婚の話題が、ワイドショーで取り上げられた。 もちろん、その相手は・・・ その日、涼の家のポストには、涼宛の手紙が、2通届いた。1つは、真理からの案内状。そして、もう1つは・・桜からの手紙だった・・・ -涼、元気にやっている?もちろん私は元気にやっているわよ。 体に気をつけて幸せにね。 桜 たったこれだけの文章の上、差出人の所には「十文字 桜」と書かれているだけで、住所等は書いていなかったが、それでも、涼は、十分嬉しかった。 ―そしてまた、真夏がやって来る・・・― Fin. ジャンル別一覧
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